文科省SSH(スーパーサイエンス)指定で戸惑う高校

 近くに関東北部有数の高レベルを誇る大田原高校

がある。この高校は当然のことに、文科省のSSH

指定を受け、それなりの予算措置を受けたという。

 そこでこのSSHなるものを見てみよう。

   (以下文科省HPからの引用)

文部科学省では、将来の国際的な科学技術関係人材

を育成するため、先進的な理数教育を実施する高等

学校等を「スーパーサイエンスハイスクール」とし

て指定し、学習指導要領によらないカリキュラムの

開発・実践や課題研究の推進、観察・実験等を通じ

た体験的・問題解決的な学習等を平成14年度より支

援しています。

           (引用終わり)

 文科省はよく知っているのだ。高校の物理の教科

書が旧態いぜんたること。私が高校の教科書を書い

たとき文科省教科書検定官とおおいにやりあった。

先進的なクオークブラックホール超伝導のこと

を書いた私の原稿をすべてこの検定官は拒否した。

そして自分たちも大槻先生の言うがごとく先進的

な内容を入れるべきと思っているがそれが産業界

の要望が強く結局力学、電磁気中心になってしまう、

と。(ちなみにこの検定官は私の教え子)

 しかしこれは物理だけなのだ。化学、生物、地学

の教科書を見よ。まったく先進科学に一新、二新

されているではないか。化学は何と量子力学から

始まる。生物はDNA、細胞が中心、地学は現代

地球物理だ。高校の、とくに生物、地学の教科書

は今でも私の愛読書だ。

 そこで彼らは考えた。SSHだ。これは物理の

教科書の枠を飛び越えよという意図と解釈できる。

文科省HPにちゃんと書いてあるではないか。『

学習指導要領を超えた先進的な理科教育。。。』

と。しかも自分たちのこれまでの地方国立大学の

物理教員養成がオソマツなことをちゃんと知って

いるのだ。

 したがって現在の理科教員養成のレベルでは、

SSHの目的をはたすことには不十分であること

文科省は良くしっているのだ。だから文科省

SSH推進要綱に『近くの大学教授グループや

民間企業研究者などの活用』をうながしている。

 しかし、北関東、栃木、群馬、それに宮城を除

く東北地方の高校で協力してくれる大学関係者、

企業研究者などほとんどいない。先にあげた大田

原高校でも同じこと。

 そこで、またまた私大槻がしゃしゃり出た。自ら

好んで、まったくのボランティアとして講演、討論

、実験指導をやる。のっけから大きく、先先進テーマ

で生徒を興奮されば良い。題して最初の講演のテーマ

  『量子揺らぎから始まってビックリップで終わる

    宇宙の進化』

2回目以降は『量子もつれ超伝導量子コンピュータ

『第5の力?交換相互作用と共有結合』などなど。

 内容と大田原高校SSHの模様はその都度本ブログ

で報告します。