スーパーサイエンス高校(SSH)指定、指定されて何がやれる?!

高校がSSH指定を受けることは大変名誉なことの

ようだ。その証拠に私が行き来する大田原高校の

正門には『SSH指定校』とかいう大きな看板がか

かっているではないか。

 これは高校教育の規制改革で結構なことである。

と言うか、私が長い間主張してきたことなのだ。

高校教育まで『指導要領の縛り』など不要である。

どんどん先端科学、先端物理を教えるべきだ。

 もちろんSSHはそのことをめざしている。曰く

『最寄りの大学や企業の人材の協力で高校の枠を

超えた先端科学、先端物理を教育する』と。何?!

最寄りの大学だと?!例えばここ北関東に、どん

な大学があるのか。企業の研究所があるのか。

 あるとすれば宇都宮大学。しかし宇都宮大学には

SSHに協力できる物理の専門家はいない。いたとし

ても教育学部に1,2名。私は先に宇都宮大学の客

員教授扱いを受けて講義を手伝っていたから内情は

よく知っているのだ。この1,2名で県下のSSH

全部の面倒みることなどできない。

 したがって大田原高校も、指定は受けたがスーパ

ーサイエンスの講義や実験など不可能だった。これ

は栃木県だけの問題ではない。東北7県すべてにあて

はまる。協力できるのは東北大学だけ。東北大学

物理系教官20名のうち、半分の10名をSSH

協力者と義務づけても1県すべてのSSH高に1名程

度だ。まったくナンセンス!

 つまり文科省ははじめから間違っていたのだ。SSH

指定をやる前にSSH高協力者集団を組織すべきだった。

この団体には各地の大学退職者を登録、また最寄り

の旧国立大学の博士課程修了者をパートとして雇用

する。

 文科省よ、今からでも遅くない。全国に協力者

集団を作ろう。私がやるから予算を作れ。