久々の池袋演芸場、古今亭志ん弥
池袋は通り道、よく寄席で立ち見した。あれから60年、
池袋の寄席に行くことはなかった。それが何の気迷いか、
そう地下3階までエレベーターなしの狭い階段、まさに
膝をかばいながらゆるゆると足を下した。これじゃ年寄り
は無理だ。案の定、客は年寄りはいない。人数は9名ばか
り。演者も若い二つ目と真打ほやほやばかり。
この入りでは料金収入は2000円×9=18000円。
出演者10名だったから一人平均1800円。それに会場
係、切符売り場、入り口案内人(支配人?)、地下3階の
切符切り、ドアマン、合計4名の支払いもある。これでは
せっかくの池袋演芸場も赤字だ。
その気の毒な落語家の中に
古今亭志ん弥
がいた。大柄なスポーツマン、3階の地下階段など飛び跳
ねて昇るだろう。声も大きく江戸っ子の歯切れもよい。そ
れも40分近く、古典落語の江戸弁をまくし立てた。まさに
『元気の出る落語』。
志ん弥よ、次にまた新宿末廣亭で会おう。