形の物性物理学

 原子物理学と対比されるのが物性物理学

ですが、これは、、導体、不導体、絶縁体

あるいは気体、液体、固体、また金属、誘

電体、強誘電体、磁性体、強磁性体、反強

磁性体などが研究対象です。このような研

究分野が物性物理学と呼ばれる分野です。

ただし、この言葉は日本の物理学会で使わ

れはじめたので正しい英文はありません。

 最近これらの研究で注目を集めているの

が、『形の物性物理学』というモノです。

形、つまり球体、立方体、ドーナツ体、粉

体などの物性物理学です。2次元平面体(薄

膜体)や一次元体(細線体)の物性なども

あります。これらの数学的理論物理学では

『トポロジカル物性物理』とも呼ばれ、こ

の分野の先進的研究はフランスの数理学者

が先導し、ノーベル物理学賞が贈られまし

た。

 最近話題になっているのが平面の物性です。

実際シリコン半導体の平面シートが作られる

ようになり物性研究が急速に発展しています。

このような構造の中では量子をフェルミオン

とボソンにはっきり区別できなくなります。

つまりr1とr2に存在する量子について

これらを入れ替えを行うとその波動関数ψ

  ψ(r1、r2)=ψ(r2、r1)

    -順可換性ー

または

  ψ(r1、r2)=-ψ(r2、r1)

    -反可換性ー

という普通の理論物理学の常識からずれて来ます。

 一般には、平面(2次元)体ではこれが

ψ(r1、r2)=(sinα+icosα)ψ(r2、r1)

のようにψの前が1でもー1でもなくなります。

 このような量子がエニオンと呼ばれるものです。