ウィーン大学、14世紀開校の哲学部にタマゲタケ!

 東大大学院に入りたてのころ、当時量子力学

のメッカと言われたウィーン大学に留学すべく

、恩師朝永振一郎先生の紹介状をポケットに

シベリア鉄道に乗った。延々10日間の列車旅

の末オーストリアに着いた。めざすウィーン大学

理学部。ウィーン大学はウィーンのド真ん中にあ

ったがいくら探しても理学部はなかった。誰に聞

いても理学部は分からなかった。そこで次の日、

理工学部を探したがそれも皆目分からなかった。

 三日目になってウィーン大学の正門前にうろち

ょろしていると眼鏡のあんちゃんに出会った。そ

の時大学は夏休みだったのでほとんど学生はいない

のにこのあんちゃんが学生だぞ。

 なんと幸運なことにこれは物理学科の学生だった!

連れていかれたのが『哲学部物理学科』!!エ?テ

ツガク部?そうだよ、ウィーン大学は14世紀にで

きたのだからみんな学問は哲学だった。あはは、古い

のよ!

 エえ?14世紀の大学!私はえらく感動した。東大

など100年の歴史を誇ってもウィーン大学にはとう

くかなわない。私は長くそう思って西洋の学問に劣等

感を持ってきた。ところがフト昨日近くの栃木県足利

市の足利学校を訪れた。いまさらながらびっくり仰天!

  (つづく)