世界『大学ランキング』発表、いつものことながらインチキ

イギリスの出版社『高等教育=Times Higher Education』が

今年も世界の大学のランクづけを発表、例によって韓国

朝鮮中央日報chousunnonlineが大きく報道した。日本の

新聞も日経などが報道したが他の報道機関は無視すると

ころがおおかかった。その大学ランキングは次のとうり。

 1位には前年に続き、英国のオックスフォード大学2位

スタンフォード大学、3位はハーバード大学、4位はカ

リフォルニア工科大学、5位はマサチューセッツ工科大

。。。。。トップ10入りした大学はすべて英国と米国の

大学。
 韓国の大学のランキングを見ると、ソウル大学(60位)

、 KAIST(96位)、成均館大学(101位)、浦項工科大

学(151位)、高麗大学(167位)、蔚山科学技術大学

(176位)、延世大学(187位)の順で、200位以内に7

校がランクインした。一方、日本の大学で200位以内に

入ったのは東京大学(36位)、京都大学(54位)2校だ

け。

 大学のランクは(こんなの意味があるとすれば)その

研究成果で行われるべきだ。その成果とは世界の超一流

論文誌に発表された論文数とその引用割合である。物理

学の分野でこれをみれば世界一位は多分東大になるはず

だ。トップ10に入ったオックスフォード、ケンブリッ

ジ大学など問題にもならない。

 東大には理学部物理学科のほか工学部物理工学科、教

養学部相関基礎科学がある。その他にノーベル賞クラス

の研究者27名の研究員のいるカブリ数物連携宇宙研

機構、原子核研究所、物性研究所、乗鞍宇宙線研究所、

神岡宇宙線研究所、山梨宇宙線研究所、カミオカンデなど

の研究所が君臨している。

 この研究体制をみればオックスフォードなど足元にも

及ばない。200位にも入らなかった大阪大学、名古屋

大学、東北大学などもオックスフォードよりは上位のは

ずなのだ。

 それなら一体なぜこんなおかしなランキングになるの

か。それは評価基準に『国際化』と『産業力』など、お

かしな項目が入っているからだ。国際化化?つまり海外

からの留学生の割合。海外からの研究者の受け入れ数。

アメリカ、イギリスの大学には場合によっては半分以上

の海外からの留学生がいる。(ちなみに東大では3年前

たった一人の留学生がいた。)海外留学生が多ければ研究

室に居残る海外研究者の数も多くなる。

 笑えるのは朝鮮中央日報だけあって『200位までに

韓国の大学7校、日本は東大と京大2校だけ』という記

事。泣けてくるなあ!大阪大学東北大学高麗大学

延世大学にも及ばないとは。これだけ見てもこのT

HE大学ランキングがいかにインチキかが分かる。

 こわいのは文科省などの高級官僚がこのランキングを

鵜呑みにして大学にろくでもない『国際化』を押し付け

てくることだ。すでに大学補助金の配分に留学生の数、

教員スタッフの比率を勘案してきているという噂。