菅総理大臣閣下、国会の場で討論しない、するつもりもない、いや討論する能力ない

この秋の国会は菅総理大臣閣下の初舞台であり討論の

正否が試されるものだった。だから時間があれば国会

中継をよくみてきた。

 コロナ対策はもちろんのこと、デジタル化、日本

学術会議問題と多彩なテーマが並んだ。これらのテー

マでの野党の質問は十分資料を集めて鋭かった。これに

対して安部さんの答弁は抽象的、もん切り、オウム返し

な答弁で多くの場合討論に発展することがなかった。

 学術会議会員の6名もの任命拒否問題。拒否の理由

についてただす野党の質問に答えて曰く。『国家公務

員の任免権は総理大臣にある』と。野党の質問はそん

な見え透いたことを聞いたのではない。今回の任命拒否

の理由は何かと聞いたのだ。再三ききただしても、任命

権は私にある、の一点張り。

 このようなオソマツな答弁では国会討論、国会審議に

なっていない。なぜどうどうと『6名は過去に自民党

政策を批判したから』と答えなかったのか。この答弁

があれば議論は紛糾し、それだけ議論は発展する。しか

し菅さんは口が裂けてもこのような本音は言わなかった。

 何故か。うっかり本音を言えばその反論、反発がおこり

それに十分対応する自信がなかったからだ。『本音を言って

反発されたらそれを反論する自信がない』と。つまりすべて

の討論論戦をやりとりする自信がない。だから討論、論戦

を避けたのだ。

 国会という大きな場でまともに反論も論戦もできない総理

大臣とは何か?それを真っ向から受けて立つ能力のない総理

大臣とはなさけない。最高の政治家としての能力もなく、世

界観もなく、哲学もない。これが世界有数の先進国ニッポン

の最高指導者の現状だ。なさけないなあ!

   戦後の日本の復興をなしとげた吉田茂総理を思い出す。

私の大嫌いな右翼だったが、その識見の高さは驚くべき

ものがった。時の東大総長、政治哲学として高名な大学者

南原繁が政府の方針に反対したとき

   名指しで『曲学阿世!』と罵倒した。

 (曲学阿世=学問の本道を捻じ曲げ世を乱すこと)