名古屋大学、研究不正か?ネイチャーの論文撤回、そのグラフェンナノリボンとは?

               (中日新聞27日より引用)
科学誌ネイチャーは二十五日付の電子版で、昨年六月に掲載した名古屋大トランスフォーマティブ生命分子研究所の伊丹健一郎教授(合成化学)らの研究チームによる論文を撤回したと発表した。実験データの一部に誤りなどがあったという。名大は調査委員会を設置し、経緯や原因、研究不正に当たるかなどについて調べている。
 論文では、次世代の半導体の材料として期待される炭素素材「グラフェンナノリボン」を、精密に合成できる技術を開発したと報告していた。発表後に、炭素素材の構造などを確認した装置の実験データの一部に誤りがあるほか、信頼性のない実験結果が含まれていたことが分かり、伊丹教授らが名大本部に申告。ネイチャー側にも論文の撤回を申し入れていた。
 伊丹教授は「疑義のあるデータが含まれ、論文全体の信頼性が損なわれたため撤回した。混乱を招いたことが申し訳なく、科学界全体にもおわびしたい」と話した。
       (引用終わり)
 炭素原子Cほど面白く変化に富むものはない。例えば
鉛筆の芯になったりダイアモンドになったり。炭素原子
60個サッカーボールのように結合したのがC60フラー
レンである。
 一方炭素原子が蜂の巣のように6角形格子構造をした
ものも注目されておりグラフェングラフェンシートと
呼ばれる。またこれがチューブ状につらなったものが、
 このグラフェンシート、またはカーボンナノチューブ
から一直線に炭素原子が並んだ『リボン』もとりだせる。
このリボンの正確で簡便な作り方を示した上の論文不正
なのだ。
 グラフェンカーボンナノチューブはさまざまな物性
や化学の特性を持つ。例えばグラフェンシートは電気を
通すが透明である。ナノリボンも同じ。これは車の窓ガ
ラスに張り付けて『ガラスのアンテナ』として使える。
 多彩な炭素素材の研究は名古屋周辺で研究が進んで
いる。今回の論文不正も名古屋周辺である。カーボンナノ
チューブはノーベル賞候補と毎年騒がれているのだ。
この種の論文不正は今後のノーベル賞に泥を塗る行為で
残念だ。