科学論文不正多い、という報道はウソ

    (毎日新聞からの引用)

日本の学術研究に対する国際的な信頼を失墜させる論文不正が、後を絶たない。最近では昭和大(東京都品川区)が5月、元講師の麻酔科医が執筆した142本もの論文に不正があったことを明らかにした。真面目に取り組む研究者を正当に評価し、日本の競争力を向上させるために、不正を防ぐ抜本的な対策が求められている。

 昭和大で不正とされたのは、元講師が2015~20年に執筆した論文。患者の年齢、身長、麻酔の手順などを記載した症例報告や、腰神経の麻酔に関する臨床試験の内容をまとめたものなどだ。

 驚くのは国際的に見た日本の不正の多さだ。論文の撤回(Retraction=リトラクション)調査を通じ不正を監視するウェブサイト「リトラクションウオッチ」によると、撤回論文数の世界最多は東邦大元准教授で麻酔科医の183本。3位は骨折予防の研究をしていた弘前大元教授で医師の106本、4位はこの元教授の共同研究者で医師の82本。7位も53本を撤回した日本の麻酔科医だ。。。。

      (引用終わり)

 一部医師、医学生理学分野を除いた物理学、化学

、生物学などの『真っ当な科学分野』で論文の捏造

偽造、論文撤回などはごくまれなことだ。それは発

表前の審査体制がきびしく不正はすぐ見破られてし

まうからなのだ。

 一般に発表論文誌は編集委員会でまず審査される

がこの委員はその道の大ベテランで構成されている。

したがってここで捏造、偽造は見破られることが多

い。次に編集委員会が『査読者』を2名ぐらい選定

する。この査読者は当該の分野の研究者で現に投稿

論文と同じ、あるいは類似の分野の専門家である。

 査読の結果、一人が可でももう一人が不可なら

論文はパスしない。編集委員会は論文を掲載不許可

として返却する。しかし著者が不服でもう一度審査

を要求すれば査読者をさらに加えて審査する。もち

ろん即座に返却しないで3人目の査読にまわすこと

もある。

 医学分野の論文査読は一体どうなっているのか

。183本もの不正論文がが掲載されたのならば

これは明らかに編集委員会のトンデモナイミスで

ある。もはや医学の論文、医師の論文はマユツバ

という他ない。これと真っ当な科学の論文を同一

視しないで欲しい。