NHK報道番組、『学術会議会員任命拒否は妥当』と解説、500の学会の反対声明は触れもせず

10月29日夜のNHK報道番組『ニュースウォッチナイン』

日本学術会議の会員候補6名を菅総理大臣閣下が理由も

明らかにせず、また名簿も見ないで任命拒否したこと、また

これに対して500もの各専門分野の学会が批判声明、抗議

声明を出していることもにも触れず、ただ国士館大学とやらの

教授(?)の菅閣下の任命拒否を支持する『解説』を垂れ流

した。

 しかもこの男の言葉でまったく聞き捨てにならないことは

次のような言葉であった。『今回の任命拒否で学問の自由が

無くなったというのはおかしい。各学者は自分の大学で研究

する自由はある』これは菅閣下の国会答弁とまったく同じ

である。驚くべきことにこの男も菅閣下と同じように『学問』

『学問をすること』を知らない学者なのだ。

 学問は一人大学の研究室にこもってやるものではない。研

究内容は学者仲間との会話、対話、討論を経て批判、賛同を

得て成熟、完成してゆくものだ。だからこそ各分野の学会、

学会分科会、学会研究会、学会シンポジウムなどがあるので

ある。その学会はまた外部に開かれていなければならない。

そのためあらゆる先進国は学会から選ばれた科学アカデミー

を持つ。日本学術会議もこの科学アカデミーに相当する。

 これらの個別学会は任意団体、社団法人などで、そのうち

日本物理学会のような巨大な学会は国の補助金も受け取る。

しかし補助金を国から受け取っても『国が人事に関与する』

とはない。日本物理学会の会員になるには会員の2名以上

の推薦があればだれでもなれる。まして理事、会長の人事

に国が関与することはできない。会長は会員の選挙。

 NHKはこれまで表向き公平を装ってきた。しかし今回

のようにあからさまに『解説』として菅閣下に寄り添う

報道となったのは驚きである。巷には『菅の狙いは学術会

議の次はNHKだ』という黒い噂が流れる。NHKはそれを

恐れてやられないうちから政権に寄り添った。菅閣下とは

恐ろしい政治家、ナチス前期のやりかたとよく似ている。

 近く総選挙があるから菅に勝たせてはならない。