那須サイエンスカフェ第5回 量子絡み合い、量子テレポテーションだと?!

2019那須サイエンスカフェ第5回、報告
量子の絡み合い、量子テレポテーションだと?
          2019年11月2日(土)18:00~20:00 稲村公民館
基調講演及び討議
 最近話題の量子コンピューターに関しては、従来のアメリカなど先進
国において、多くの企業、研究機関がその開発に力を入れている。
 直近では、グーグルがその開発に成功したと発表したが、IBMは「あ
れは量子コンピューターとは言えない」とコメントするなど、いろいろ
混乱があるようだ。
その中で、東大の古沢教授のグループは、レーザーやレンズ鏡などを
組み合わせた装置を開発した。
ここで、量子の絡み合い(entangle)の説明をするが、「絡み合い」の事
を「もつれ」とも表現する。そのイメージであるが、pair、couplingであ

る。陽子に関しては、かって湯川秀樹博士が発見したπ中間子(陽子どうし
を反発する力以上の力で結びつけている)の働きと似ている。
電子に関しては、電子どうしがphononを媒介して一種の電子絡みをが
生じ、抵抗がなくなることを、Cooperが発見し、Cooper
paireと呼ばれている。ちなみに、これが超伝導の基となる現象である。
量子コンピューターは、量子の絡み合い(もつれ)の現象を応用した
、ものであるが、古沢教授のグループは、特殊な方法で、レーザー光と
レザー光が互いに影響しあい量子のもつれとなることを示した。
(普通の懐中電灯の光どおしをぶつけてもその光に変化はありません
。)
現在、8個の光子絡みまではレーザー作り出し、振動の方向から直線偏光、円
偏光、楕円変更等の絡み合った信号を得ている。
光子のデータの瞬間移動現象(量子テレポテーション)の不思議なと
ころは、例えば、東京から発信した信号を大阪に送ったとすると、受け
取った大阪で、その信号のもつれを解くと、瞬時にして、東京の信号も
またもつれが解かれ、この信号を同時に大阪以外の他の離れた場所にも
送っていれたとすれば、その信号も瞬時にもつれを解いたものになると
の事です。もちろん東京で信号のもつれを解いた場合も、送信先の信号
はすべて同じ結果となります。
量子コンピューターの特徴は、演算速度がけた違いに早いのはもちろ
ん、セキュリティに優れていることにある。

また、ノーベル賞にかかわる逸話を色々としていただきました。
中でも、ノーベル財団が選んだもので、当時は世の中ではあまり知ら
れていなかったことでも、何年か後に、世ので大いに約立つものとして
注目され、業績を上げている。
例を挙げると、
例;当時無名に近かった田中耕一氏の功績;質量分析技術の開発によ
り、のちに癌などの病気の発見に大いに寄与している。
ノーベル財団は、学問、技術の開拓者としての役割も果たしているの
です。
次回第6回11月9日(土);「光は波動なの、粒子なの?いやいや

それは量子なの」
     吉川 (記)