NHKニュース前線大雨報道一色、朝日大雨被害など無視,

一体どっちが真っ当な報道機関か。それにしても、NHK

7時の夕方のニュース、ここ1週間ほど、梅雨前線被害報道

の山。時に8時まで延長して。毎日毎日同じ九州の被害の様

子を繰り返す。

 一方、朝日はまた極端に前線被害報道は少ない。ネットニ

ュースでは3〜5番めぐらいに出てくる。それも、毎日ではな

い。例えば朝日記事 は政府が決めた第2段の入国制限緩和、

自分の癌の症状をトイレで気づいた話、コロナ感染症の専

門家の欠陥的判断ミスのこと。

  ところがNHKは過酷な災害現場から、過酷な取材。カ

メラ、音声、照明、レポーターディレクターとが雨と風に

打たれて声を張り上げる。私も何度もこの種の現場レポート

に駆り出されたことがあるからこの現場レポートの過酷さは

よく分かる。

  結局どっちもどっちだ。NHKは、災害ニュース以外にもた

くさんの深刻なニュースを報道すべきだ。特にコロナ後の大

不況。何万社もの中小企業のサンタンたる状況があるのだ。

 一方朝日。地方支局から伝わる各地の災害。もっと支局か

らの声を伝えるべきだ。どっちもどっちだが情報の量と質

から評価するならNHKははるかに朝日に劣る。『皆様の

NHK』は災害から国民を守ってくれる。ありがたいこと

だ。しかし来る日も来る日も災害ニュースでは困る。コロナ

による国難も忘れないで欲しい。

ytさんからの投稿、『大学に研究の自由などなかった』の誤解,研究は大学院博士課程でやるもの

yt1984さんからの投稿概要

 1.私は大槻教授に憧れて大学に入ったが大学は自由に研究

できるところでなかったので大学院に行かなかった。

 2.大学の研究室で地震予知の研究をやりたいと申し出た

が教授に拒否された。

   (大槻からの回答)

あなたは上の事実に遭遇して幻滅して大学院修士も博士も

行かなかったわけですね。それは残念なことでした。しかし

  あなたを指導した、あなたの教授は正しい指導

  しました!もしあなたのその教授がその地震

  知の研究を認めていたら、あなたは研究成果も

  あがらず、修士論文も博士論文も書けず、いま

  ごろ路頭に迷っていたことでしょう。

何故ならもともと地震学会ではは地震予知などというテーマ

は現在不毛なテーマとされているからです。つまり地震

学会に地震予知などというテーマを指導できる専門家は

ほとんどいないのです。もちろん岩盤、プレートのひずみ

研究はやられていますがそれがいつ破断するか、は分か

らないのです。つまりこれによって正確な地震予知はで

きません。地震予知の少数の『専門家』はオカルトぽい

と批判されていますよ。

 それに大学の研究の自由とは大学院博士課程以上の

研究についての自由です。修士課程までは学ぶこと、履修

すること、修学することで、これの自由はまったく当然

です。つまりなにを学んでもいいのです。

 あなたの教授に、研究の自由がなかったのではなく、

実に正しい指導をしました。その教授にいささか問題

があったとすればここで書いたような学会の現状を、

懇切丁寧に説明してくれなかった(?)ことでしょうか。

 私ならこう指導します。『地震予知?、そんな専門テ

ーマは大学4年生で決めるのは早すぎます。専門研究

分野を選ぶのは博士課程に入れてからにしましょう。』

 

 

カナカナ、カナ、ヒグラシの声聞く、実に23年ぶり,コロナのおかげ!

バンクーバーで夏を過ごすようになってからカナカナ

もミンミンもツクツクボウシも、セミの声などすっか

り忘れていた。バンクーバーにはセミはおろかトンボ

もいないからだ。ところが今年、一昨日の早朝、5時半

ごろ、そのわすれていたセミがカナカナ、カナカナ!

 、カナカナ、カナカナ!

 あ、あ、セミというのがまだ日本に生きていたのだ。

なんとなつかしい。子供のころ、角田市小田小学校

に歩いて2時間の山の中を歩いて通学した。そして

7月、セミの初鳴きを聞く。皆で手をたたいて喜んだ。

もうすぐ夏休みがくる鳴き声だったからだ。

 カナカナ、夏休み、カナカナ

と聞こえた。田舎の山の中、夏休みだからと言って

とくに楽しいことは何もなかった。ただ、野イチゴ

や桑の実をたらふく食べて歩いたりよその家の畑の

トマトを無断で食べたり、蛍とりをやったり。家は

小田川』という造り酒屋だったから名残の酒蔵が

たくさんあったので昼でも真っ暗な蔵遊び(お化け

やしき遊び)。

 カナカナは秋に鳴くセミという勘違いがあるが、初

夏から初秋まで早朝や日暮れどきに鳴く。私はカナカナ

の、単調で軽やかな声が大好きだ。夕暮れ時、シメリ化

を帯びて鳴き続けるカナカナは世の切なさをうたいあ

げて風流だ。23年ぶりの懐かしいセミの声が聴けた

のもコロナのおかげ。カナダに行けなかったからだっ

た。コロナ、有難う!コロナ、ばか!

梅雨明け、想定より早い可能性、気象庁と気象協会に逆らうつもりはないが

気象庁の梅雨予報では次週の終わりまで梅雨空、

気象協会の予報ではこの先10日間は梅雨空。

本当か?いや違うと思う。

 日本列島のはるか東南に大きな太平洋高気圧

が張り出してきた。これが梅雨明けの兆候である。

気象庁はこの高気圧の動きはほとんど止まって

いる、としているが毎日の測定では実は少しづつ

西に移動している。この中心位置が関東の南部に

達するのが早くて4日、遅くとも6日かかる。

 このときが梅雨明けだ。高気圧がここまで西に

移動しても西日本北方に蛇行して張り出している

ジェット気流で南に下がって梅雨明けを邪魔する、

気象庁は考えている。しかし、そのようなこと

があっても、高気圧からの暖かい南風が優勢とな

り梅雨前線は消えるであろう。多くの場合梅雨明け

は前線を押し上げるのではなく消えるのだ。

 気象庁という大組織に逆らうのだから『年寄の

たわごと』とご理解ください。それでも梅雨明け

予報は商売に影響することもありうる。私の予想

がはずれたら、ご容赦ください。なにせ、気象物理

はドしろうとですから。

文部科学省、『民間事業者利用』の挫折,英語入試民間試験活用断念の後

 本日のNHKの朝のニュースによれば、またまた文科省

の民間事業者の情報収集の入試利用を中止した、とのこと。

生徒が高校生活で部活や国際交流、社会ボランティア活動

などをした場合、それを民間団体(文科省が作った民間団

体?)に登録するとその情報が入試の評価につながる仕組み

だったとか。

 同じようなことはたくさんある。その代表的例は英語、

英会話の成績を民間団体に任せて、その団体の行う試験の

成績を入試判定に使うという計画。

 昔に遡れば、文科省が行う『全国共通テスト』とか『

共通一次』とかがある。これは民間委託ではないが、大学

独自で行う入試を文科省の枠組みで支配しようとするもの

で民間委託と同じ発想である。

 何故文科省はそんなに大学入試に関与したがるのか?それ

は極めて明らかである。高校までの教育内容は教科書検定

によってがんじがらみにしばることが出来る。また教育委員会

によるしめつけもあるのだ。

 ところが大学は未だに見かけ上は学問、研究の自由の建前

から文科省の支配は難しい。そこでせめて入試だけでも、文

科省の支配システムを作ろうとするのだ。それだけでなく、

民間委託をやれば天下り先の確保にまでつながる。

 民間委託ならそうだろうが共通テストの制度にまで、

天下り先の確保のメリットがあるのか。ある、ある!共通

テストをやるのは文科省本体がやるのではなく『共通テスト

協会』のような団体がやるのだ。ここには文科省定年退官し

た役人が天下っているではないか。(私はその上層部の天下

り役人の実名を知っている。)

 かくして文科省の大学入試業務には、文科省イデオロギー

支配と天下りメリットの二つがついてまわる。こわいこと。

那須サイエンスカフェ生徒会『空騒ぎ』、オナラとエントロピー,デタラメの程度

 複雑な物理学量のうちに、特別に不思議な量があり

ます。その一つがエントロピーです。これはある温度

T度Kにある状態に熱エネルギーQジュールが移った

ときのQ/Tという量です。これは不思議な量で、途

中どのような過程をとって熱が流入しても最終的な、

トータルな熱量Qだけに依存する。このような量は

  状態量、あるいは示量数

と呼ばれます。ドイツの物理学者クラウジウスが、1

854年から1865年までの間に確立したものでし

た。

 この状態量はSと書かれエントロピー命名され

、その単位は『ジュール/度K』ですが、これを『

クラウジウス』と呼ぶことになりました。1クラウジ

ウスが1クラウジウスになる、とはどういうことか。

単にエントロピーSが増加した、ではすまない。とく

に表題のようにオナラとどんな関係にあるのか?

 オーストリアの物理学者ボルツマンは1877年、

明快なエントロピーの定義をしました。それは

   S=klogeΩ  

というものです。ここでkはボルツマンの定数、Ω

(オメガ)は状態の数、logeは対数関数という意味

です。

 つまりエントロピーはそのとりうる状態が大きく

なれば大きくなる、ということです。部屋に充満し

ていたオナラは部屋のドアを開ければ広い空間に

行き渡りますから存在する位置状態の数が多くなり

エントロピーは増大します。

 これが

    エントロピー増大の法則

と呼ばれるものです。オナラはエントロピー増大の

法則によって地球全体に拡散してゆきます。つまり

エントロピーとは

  拡散の程度、でたらめさの程度、ごたまぜの程度

 無秩序の程度、ばらばらの程度

なのです。つまり乱雑さの程度がエントロピー、という

わけなのです。もともと『乱雑さ』等という概念が物理学

用語として意味があるのか?それが大有りなのだから驚き

です。例えば『エントロピー弾性』というモノがあるので

す。

    (つづく)

 

オナラと『エントロピー』,何でこんな名前?    

 奇妙なタイトルですが、まあお聞きください。これは

今週日曜日、『那須サイエンスカフェの生徒会(カラ騒

ぎの会)』で講演したタイトルです。

 日本では科学用語、とくに物理学の用語は極力日本語

で語ることにしてきました。英語などをそのまま使って

しまうと意味が分からなくなってしまうからです。

 その点物理学用語は実に的確な日本語訳になっていて

感心します。第一physicsをそのままフィジックスとカタ

カナ表記にしては分かり難い。これを物理とすれば、鮮

明なイメージがわきます。『物、事物の理屈、理解』の

ようなすばらしい日本語イメージです。

 明治時代、このような日本での物理用語を初めて作った

のは今の理科大の前身『物理学校』でした。この学校は、

当時東京帝国大学にあった『フランス語物理学科』の卒業

生たちが作った学校で、多くの卒業生たちは全国の中学校

(今の高校)の教員になって行きました。しかし彼らは、

教育現場でフランス語物理、英語物理でとうすわけには

いかなかったのでした。そこで物理用語に日本語作りの

プロジェクトとなりました。

 しかしここに大きな問題が残りました。日本語にしよう

としてももともと意味がよく分からないものの存在です。

それが

  エネルギー  エントロピー  スピン

などという言葉でした。スピンは当時まだありませんでした

からエネルギー、エントロピーが難しいのでした。そこで

やむを得ずこれらの言葉は英語(フランス語、ラテン語

をかな文字で残しました。最近ではクオークなども翻訳

しようにもできずカタカナ文字となっております。

 まさかエントロピーを『オナラ運動』などと表記する

わけにはゆかなかったのでした。この分かり難いエント

ロピーの神髄を次回に解説します。とくにクラウジウス

の発見とボルツマンの発見にせまります。

   (つづく)