文部科学省、『民間事業者利用』の挫折,英語入試民間試験活用断念の後

 本日のNHKの朝のニュースによれば、またまた文科省

の民間事業者の情報収集の入試利用を中止した、とのこと。

生徒が高校生活で部活や国際交流、社会ボランティア活動

などをした場合、それを民間団体(文科省が作った民間団

体?)に登録するとその情報が入試の評価につながる仕組み

だったとか。

 同じようなことはたくさんある。その代表的例は英語、

英会話の成績を民間団体に任せて、その団体の行う試験の

成績を入試判定に使うという計画。

 昔に遡れば、文科省が行う『全国共通テスト』とか『

共通一次』とかがある。これは民間委託ではないが、大学

独自で行う入試を文科省の枠組みで支配しようとするもの

で民間委託と同じ発想である。

 何故文科省はそんなに大学入試に関与したがるのか?それ

は極めて明らかである。高校までの教育内容は教科書検定

によってがんじがらみにしばることが出来る。また教育委員会

によるしめつけもあるのだ。

 ところが大学は未だに見かけ上は学問、研究の自由の建前

から文科省の支配は難しい。そこでせめて入試だけでも、文

科省の支配システムを作ろうとするのだ。それだけでなく、

民間委託をやれば天下り先の確保にまでつながる。

 民間委託ならそうだろうが共通テストの制度にまで、

天下り先の確保のメリットがあるのか。ある、ある!共通

テストをやるのは文科省本体がやるのではなく『共通テスト

協会』のような団体がやるのだ。ここには文科省定年退官し

た役人が天下っているではないか。(私はその上層部の天下

り役人の実名を知っている。)

 かくして文科省の大学入試業務には、文科省イデオロギー

支配と天下りメリットの二つがついてまわる。こわいこと。