小さな小さな同級会、まるで兄弟に出会ったよう

 急な電話で小学校の同級会に参加しました。

宮城県南部、角田市小田小学校という、今は廃

校になってしまった小さなちいさな小学校。

1クラス30人だけ。この30人は半径

5キロほどの山間地から歩いて通学しました。

バスもなし、車もなし。馬車すらない。

 入学したときも30人、卒業したときも30

人。中学になれば角田市の巨大な中学校、なん

と50人学級が7クラス。30人はこれに分散

されてしまってもはや関係もうすれました。そ

の後、73年間も分散した小田小学校同級生が

クラス会をやったのです。会っててみれば顔は全

部分かりました。まるで兄弟に会ったよう。そ

れはそうだ、30人がいつも一緒、6年間、ア

メリカとの戦争で防空壕に入るのも一緒、ピア

ノを買うため毎日毎日イナゴ取りするのも一緒、

校庭の大きなサクランボとりやるのも一緒。

 集まったのは30人のうち、たった5人だった

が枕を並べて福島県北部の温泉で寝て話は尽き

ない。このため私など一睡もしなかった。