NHK正月特番『寄席中継』に嫌な予感、落語が無くなる前兆か?!

 毎年正月の午後NHKの生放送4時間は楽しみだった。

多くはサイパンで見たが横になってもウトウトするこ

となく緊張して観ていた。今年も待ちに待って楽しみ

にしていた。ところがNHKの番組表を見て驚いた。『

寄席中継』の『寄席』が消えている!

 新しい番組は『東西笑いの殿堂』。なんだこりゃ!

『寄席の落語』ではないのか?しかし新宿末広亭と上

野鈴本亭からの中継はあるようだ。実際たしかにあった。

 しかし司会も演者も漫才、あるいは漫才らしきおしゃ

べり(怒鳴りあい)の連続。『次は落語か、今度こそ落

語か』と期待するもただただ怒鳴りあい。落語はほとん

どなしに等しい。

 コロナのため、しばらく新宿末広に行かないで我慢

しているのでたまには本物の落語を聞きたかったのに

すっかり漫才らしき漫談に埋め尽くされてしまった。

ああ、いやだ嫌だ。そこには落語の持つ『江戸ばなし』

『くるわばなし』『八っつあん、熊さんばなし』など

は皆無。

 江戸、明治の名残香の残る末広亭の舞台も漫談の低級

な怒鳴りあいに消え失せた。落語界切っての名人『人間

国宝』の噺家たちは見向きもされない。この正月、どこ

に行ったのか。

 こういう時代になったのだ。つまり落語などが見向き

もされない時代。このような時代の先駆けとなってNHK

は『寄席』を止めて『笑いの殿堂』に変えたのだ。若い

NHKの新プロヂューサーの高笑いを想像して胸が痛む。

 よしこうなりゃ腹を決めた。末広に毎週行こう。本物

の落語を聞いてコロナで死んでも本望だ。