本日、大田原高校SSH(スーパーサイエンス高校)講座2回目、最難関なディラック方程式

 ここで解説するディラック方程式は理学部物理

学科でも大学院に進学しなければ習わない、難か

しいテーマです。しかし、量子力学の方程式では

困るのです。それは量子力学の方程式、つまり

シュレーディンガーの方程式では相対性原理を

満たさないからです。つまりシュレーディンガー

方程式では『いついかなるときにも、どのような

場所でも変わらない不変な法則』ではないからです。

 ディラックはそのような基本法則を探しました。

そして4個の連立方程式にたどりつきました、4個

連立方程式ですから4個の解が得られます。それ

らはφ1、φ2、φ3、φ4の4っつです。

 例えば電子運動様式、つまり自由度にはこの4

種類がある、ということです。φ1、φ2はスピン

という一種の自転の角運動量が対応します。φ3、

φ4は反粒子陽電子)という自由度が対応します。

 つまり陽電子は独立した素粒子ではなくあくまで

電子の自由度なのです。電子が存在しない世界では

陽電子も存在しません。

 あまり難しくて生徒が目をそらさないように、相

対性原理という哲学を説く般若心経を語ったり、デ

ィラックの奇妙な人柄に触れます。つまり彼の『女性

恐怖症』『ノーベル賞恐怖症』などなど。

 最後にディラックの一言。

『難解でだれも分からないことを分かるように語る

のが物理学者、一方だれでも分かるつまらないこと

をだれにも分からないように語るのが文学者、詩人だ』

 その物理学はディラック、ん??その文学者は大江

健三郎、ん??