古事記、古代天皇制の野蛮な実態をえんえんと。目を背けたくなる兄弟の殺し合い

 ひきつづき古事記を読破した。神話の時代

は朝鮮王朝との関係や出雲大社伊勢神宮

の関係を知る上で面白かったが後半はメをそ

むけるような野蛮な皇位争いの実態がえんえん

と続く。

 神武天皇から女帝推古天皇までおよそ100

0年の天皇家の跡目相続争いなのだ。天皇が亡

くなった後、あるいは亡くなる前から、跡目を

ねらった兄弟の血で血を洗う争い。暗殺、闇討ち

、戦争、讒訴、抹殺など、いつの世継ぎ、皇位

いでもえんえんとつづく。

 何度も書くが、私は今の皇室に親しみを覚える。

それは皇室がおだやかで和やか、民主的で合理的

で進歩的だからだ。政権の右翼の圧力に屈せず、

反戦、平和の立ち場を決して崩さない。

 しかしこの今の天皇の祖先と言われる古代天皇

家の皇位争いには嫌気がさす。しかもその天皇

手腕の評価はいかにアイヌ民族を効果的に平らげ

たか、に拠っているのも気色が悪い。初代神武天

皇の即位も、いかに日本の中部以北のアイヌを滅

ぼす戦争で大きな成果を上げたことによって成し

遂げたものであった。

 つまり古代天皇家は兄弟やいとこどうしの暗殺

や闘いとアイヌ討伐の成果によって維持されたの

だ。古事記は正直に記す。アイヌ撲滅と兄弟の撲

滅の歴史。つまり古事記とは誇らしい皇統の歴史

ではない。それどころかアイヌ虐殺と兄弟の抹殺

の歴史なのだ。

 実に嫌な、目を背けたくなる皇室の歴史。