香港、不幸な『一国二制度』、ゴマカシは続かない

ついに香港は本日から事実上の共産党独裁の中国

国家に組み込まれた。不幸なゴマカシ『一国二制

度』は終わった。一つの国に、政治制度、経済制度

の異なる二つの国が共存することなど大きなゴマ

カシであった。このような不幸が何故起こったか。

 この制度はイギリスが中国に香港を返還するとき

返還先を台湾ではなく中国を選んだときの誤りと妥協

の産物である。一体イギリスはなぜこのような奇妙

な決断をしたのか。それは中国との、巨大な経済関係

を維持、強化するためだった。つまり今日の香港の

不幸はほとんどすべてイギリスのゴマカシが原因で

ある。

 たしかにアメリカにもカナダにも一国二制度

似た制度がある。それが『準州』というものである。

しかしこの準州はあくまで内政に関して高度な自治

を持つもので軍事や外交などは絶対に国の枠を超える

ことはできない。準州自治がいかに強固なものでも

一国二制度』ではない。

 今イギリスは(そしてアメリカや日本も)今回の香港

問題について中国共産党を非難しているが、そんなこと

は返還当初からイギリスには分かっていたことだ。その

証拠に、あの返還当時、共産党独裁を嫌って海外に移住

する膨大な人々を助けたのだった。つまり英連邦の国々

オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどに対して

香港人を特別枠で移住できるように配慮要請をして、実際

にそのような移住政策が採られたのだった。バンクーバー

にはリッチモンド地区に香港からの移住者が移り住み、

すでに市全体がチャイナタウン化しているではないか。

 香港は中国にも台湾にも返還せず、独立国としてイギリ

スの支配を終わらせるべきだった。今さら香港独立と言っ

ても空念仏。