何?8歳の女の子が39のコンサートすべてで1位だと?

  朝日新聞29日に大きな見出し「内外39のコン

クールで全て1位」と。

      (以下引用)   

内外で39の音楽コンクールに出場し、全て1位――。

東京都渋谷区慶応義塾幼稚舎2年、吉村妃鞠(ひま

り)さん(8)の夢は「世界中の人に音楽を届けること」だ。

超絶技巧で知られるパガニーニの難曲を弾きこなす技

術と、堂々とした立ち振る舞いで、国内外の音楽ファン

を魅了している。

      (引用終わり)

 実にバカにした話ではないか。この事実をもってす

れば、音楽は絵画、彫刻と違ってまともな芸術ではない

ということになる。

 たしかにこの8歳の女子は技巧的に、きわめてすぐれた

音楽を作り出すのであろう。そのことを称賛するのは当然

である。しかしその音楽にどのような感性、芸術、哲学が

込められているのだろうか?8歳の子供に、そのような

表現ができるわけがない。

 これに反して名画、彫刻はどうか?例えばフィレンツェ

のウフィツェ美術館のボッティチェリ ビーナスの誕生、

またルーブル美術館のダビンチ モナリザをみるが良い。

これらは決して8歳の子供には決して描けないし、模写

もできない。

 セーヌ川の向こう岸の、私がいつも使う宿屋のすぐ

傍にロダン美術館がある。私はこの美術館をいつも訪れる

が、いつもいつも、部屋に入ると全身にめまいが起こる。

そこに漂う異様な、人間の体温みたな、もっと言えば

女性の体温のような空気に圧倒されるのだ。

 この部屋の彫刻は決して8歳の子供には出来ない。真似

することもできない。そこには感性と芸術と哲学があるから

大人にならなければロダンにはなれない。

 バンクーバーサイエンスカフェのメンバーの、音楽好き

の皆様、それにクラシック音楽が異様に好きなわが息子と

孫よ、このような一人よがりの妙な音楽論をどうぞ叱って

ください。怒ってください。