フランシスコ教皇に沸く日本メディア、フト私は白けた

この数日、朝日、毎日、日経、それにNHKなどあらゆる

メディアはローマ法王教皇)フランシスコの訪日に

沸きに沸いた。新天皇即位行事よりもっと加熱報道ぶ

りだった。日本人キリスト教信者数、たった0.4%

にしては異例なことだった。

 何より好感が持てたのは到着と同時にまず長崎原爆

記念碑を訪れ、『原爆は使用はもとより所有すること

も罪悪』と高らかに宣言したしたことだった。フランス

イスラエルなどからは公に反発を受けた。欧米のココロ

を支配する教皇の発言は、だからタダゴトではなかった。

 私は内心驚いたし、狂喜した。エライ、すごいと。しか

しふといやなことがココロに浮かんだ。それは、20年も

前、サイパンの博物館で見たサイパン(実際にはすぐ近く

の島テニアン)から広島に原爆投下に向かうB29、エノラ

ーゲイの機長ティベッツ大佐の笑顔のフィルムだった。

 滑走路のわきに二人の牧師が立ち飛び立つエノラーゲイ

に祈りを捧げていた。私はこのとき大きな勘違いをした。

『この原爆投下で殺される何十万人の人々の冥福を祈って

いるのだなあ。』と。

 しかしナレーションがすぐ流れてアッと驚いた。『二人

の牧師はティベッツ大佐などが無事任務(つまり原爆投下

で広島の何十万のひと人を虐殺すること)を果たすこと』

を祈ったというのだった。キリスト教はじめすべての宗教

なんてこんなモノだ、と完璧に白けた。

 そこで今私は帰国したフランシスコ教皇に問う。あの

エノラーゲイに向かって無事に原爆投下成功を祈った二人

の牧師の罪は如何せん?!と。