那須SC第5回 電気は光速で走るだと、ウソつけ!

那須サイエンスカフェ第4回、報告

「電気は高速で走るだと?ウソつけ!」           2019年10月26日(土)18:00~20:00 稲村公民館

基調講演及び討議

 先ず電気と言えば、原発事故を起こした福島の原発があるが、自然災害を馬鹿にした結果の事故と言える。

 

発電の種類別に、断片的にコメントをしたが、いずれにしても、発電機からは作った電気を必要としている場所へ送るのだが、その電力送信の速度は光速である。

しかし、電気は導体中を自由電子が移動することにより伝わるのだが、個々の自由電子の移動速度は数ミリm/s~数m/s程度である。電流とは自由電子の流れだから電流は

すこぶる遅いのだ。

直流の場合は自由電子は一方方向に進むが、交流となると50ヘルツであれば一秒間に50回極性が反転し、自由電子は行ったり来たりを繰り返す。

この速度は変圧器を通るルートでも変わらないところが、不思議だと感じられる。

物質中には、自由電子はおよそ1023個存在し、通常原子核の周りの最外殻軌道のさらに外側にフェルミ準位のエネルギーを持ったフェルミオンとして存在している。

これに一定以上のエネルギーが与えられることにより、電流として動き出す。

発電所からは導線中に電界が発生し、バーチャル光子を放出し、これが原子核付近で、ある種の波動が起き、フォノンにエネルギーを取られ流れにくくなる。このことが電気抵抗の説明となる。

大槻先生の恩師、朝永振一郎博士は、電磁気力を光子の受け渡しで説明し、量子力学と、電磁気学を結び付けた功績によりノーベル物理学賞を受賞された。

物質は電気抵抗の大きい絶縁体(空気、ガラス等)、半導体(シリコン等)、良導体(銅、銀、金当)があるが、絶縁体の空気でも雲と地面の間が一億ボルト程度で絶縁破壊される、雷が良い例である。

自由電子のばあいは、バーチャル光子であったが、重力でも重力場の変動によって、天文台がバーチャルグラビトンを観測していると言える。

また、液体窒素の温度の高温超伝導物質の発見(東大工学部田中教授)は、リニア新幹線の実用化に大いに寄与している。

さらに高い温度での超伝導物質となれば、送電ロスが極めて少ない送電が可能となる

日本は高温超伝導の研究が世界で最も盛んだと言える。

 

     (吉川記)