バンクーバーサイエンスカフェ報告

第7回VSC報告

テーマ 光は波動なの?粒子なの?いやいやそれは量子です

 

今日は那須塩原サイエンスカフェの田嶋さんと友人の大野さん他常連メンバー以外の方も多く参加されたので、会場を何時もの矢野アカデミーの教室から広い会議室に移しての開催となった。

 

今日のテーマは光。

光は昔から物理の主要テーマであったが、その正体が判明した20世紀半ばに日本人として二人目のノーベル賞受賞された朝永振一郎博士らが確立された量子力学電磁気学を合体させた量子電磁気学においてである。

正解は、「光は波動でも無ければ、粒子でも無い。光は光子と言う量子である

処が未だに「光は波動と粒子の二面性を併せ持つ物」とした説明が学校教育の場でも、出版されている書籍でも多く見られる。これは光に関する研究の歴史が大きく関与している。

光の波動説と粒子説は古くから存在していたが、17世紀ニュートンが実験(ニュートンリングと言う名で知られている)によって光は波動であることを証明した。20世紀に入るとアインシュタイン光電効果を示す式E=hγ+W(h;プランク定数 γ;光の振動数 W;仕事関数)を発表すると粒子説も勢いを取り戻し波動、粒子の二つの性質を持つとした説明が行われるようになり、今も続いて居る。困った物である。

今日もテーマに関連して多くの話題提供があったが紙面の関係で一つだけ紹介します。

ニュートンが学んだトリニティーカレッジに建立されているニュートン像の銘板に記されたニュートンの研究実績の内、光の波動説に関する項目だけ消去されていた事。

全宇宙の95%を占めると言われている暗黒物質や暗黒エネルギを説明できない相対性理論は何か欠陥があるのかも知れないと考えられるようになった事。

すなわち。今日、或いは発見当時は絶対正しいと思われていた理論も、時間が経過し、より精度の高い情報が発見されれば綻びが出てくる。そういう意味で物理に終わりは無い。

河田