第6回バンクーバーサイエンスカフェの報告

テーマ

量子の絡み合い。量子テレポーション

 

本日のテーマの中に書かれたテレポーション(瞬間移動)は日頃度々見聞きする。

しかし物質の瞬間移動など光速を越える移動は物理の基本法則を無視したオカルト用語で有るから使わない事。

量子の絡み合いは一般に量子もつれと言われて居る物である。

絡み合い或いはもつれとは水面に起こった二つの波が干渉して別の波が現れることを言う。光子や電子も量子波であるから同じ様にもつれる。

この現象を最初に発表したのが、アメリカの理論物理学者バーディン、クーパー、シュリーファーの3名によるBCS 理論(超伝導現象の理論)に登場するクーパーペアーである。クーパーペアーとは超低温状態で二つの電子が量子もつれを起こして一対となった物である。

最近では東大の古澤教授等を中心に高密度の光子波であるレーザーの発達で光の量子もつれの研究が進んでいる。

さてこのもつれた二つの量子は如何に離れていようが、一つの量子の量子状態が確認されれば同時に他方の量子の量子状態も確定する。あたかも一方の量子の情報が他方の量子に瞬時に送られたようなのでテレポーション(瞬間移動)という言葉が使われたが些か紛らわしい言葉遣いである。

量子テレポーションの応用は今後の課題であるが、量子コンピューター等多くの分野での応用が期待される。

本日もテーマに関連して超伝導から、日本の科学研究に関する歴代の自民党政権の取り組まで幅広いテーマが話された。

特に本日は何時もの矢野校長奥方手作りのいなり寿司に加えて、大槻先生の奥様手作りのお赤飯、メンバーの日本土産のお菓子等、大量の差し入れがあり、食べるのも忙しくあっという間の2時間であった。

参考;超伝導および量子もつれ量子コンピューターに関しては昨年発行されたバンクーバー新報(www.v-shinpo.com)に掲載された先生のコラム「我らの科学文明」第8回、第9回に詳しく書かれている。

報告者 河田